豊島

瀬戸内の島々といえば、豊島の産業廃棄物不法投棄事件を忘れることができません。年代をたどってみると、

１９７５年１２月　産業廃棄物業者の豊島総合観光開発が、産業廃棄物処理業の許可を香川県に申請する。

１９７８年２月　香川県は、豊島総合観光開発に対して、産業廃棄物収集運搬業（汚泥・木くず及び家畜のふん）処分業（みみずによる土壌改良剤化処分）を許可する。

１９９０年１１月　兵庫県警が豊島総合観光開発を廃棄の物処理及び清掃に関する法律違反容疑で事業場を強制捜査。

１９９１年１月　兵庫県警が経営者を逮捕。

１９９１年７月　神戸地裁が豊島総合観光開発と経営者等に有罪判決を下す。

１９９６年２月　豊島住民が高松地裁に豊島総合観光開発に対して損害賠償を提訴。

１９９６年１２月　高松地裁が豊島総合観光開発に対して慰謝料の支払いと廃棄物の撤去を命じる判決をだす。

１９９７年３月　豊島総合観光開発及び経営者に対して破産宣告。

２００３年１２月　特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法にもとづき不法投棄事案として環境大臣が同意。概算費用は、２８１億円。

２０１７年３月　産業廃棄物撤去完了。産廃量は当初推定の５０万トンを大きく上回る葯９１.１万トンにも及んだ。

不法投棄

その時代、その場所にいなかった者が、後からいろいろと述べるのは不遜なことかもしれません。ですが何故、処分許可外の多種多様な有害廃棄物を不法に運搬・投棄し続けたのか。否、長年にわたり続けることができたのか。住民は香川県に抗議したにもかかわらづ、その声が届かづ、兵庫県警が強制捜査に踏み込むまで、事態が変わらなかったのか。これが、ほんの少し前の日本で起こったことです。とても残念でしかたありません。